2017年夏のある日、転職直後弾丸旅行で向かった四国で偶然キャンプを楽しむ人たちとその景色を目にしたことがある。当時はまだキャンプのことは何も知らず、勿論経験したこともなかった。無計画で向かった四国で、途中、四国カルストというキャンプ場のことを知り、道中で1000円の寝袋や椅子などを揃い、そのまま向かったことがあった。それから3年あまり、どっぷりキャンプにハマり、台風が来るか来ないかのさなかにも関わらず、静岡県富士宮市にあるふもとっぱらというキャンプ場に初めて向かった。
あの時はテントもなく車中泊で、1000円の寝袋と椅子で過ごしたのを考えると非常に感慨深く、今や某有名ブランドのテントや焚き火台などを揃え、職場のキャンプ好きの方々や大学時代の友達と月一ぐらいのペースでキャンプをすることを見ると、もはやキャンプは生活の一部として自分の中で定着してる感すらあると思える。
キャンプは天気や季節に左右されることも多く、めんどくさいことも多いが一回キャンプの味を知ってしまえば、その“沼”からは逃れられないのがまた魅力の一つ。大自然の中で食べる数々の料理やお酒、コーヒーは言うまでもなく美味しく、場所や天気によっては絶景も見られる。そして、キャンプの醍醐味は何よりも焚き火。その焚き火を囲って人々と近況を話すもよし、無言になるのもよし。時にはなぜ焚き火を見ると無言になるんだろう…と思いつつも、夜な夜なと焚き火を楽しむ。
飲み会の場で勢いよくアマゾンで注文したテントだが、今や重宝しているテント
キャンプ場での鉄則としては、まず着いたらテントの設営ということ。そして今回は雨に備えてタープも設営。台風が来るかもということだったので、強めのペグで風に煽られやすいタープをしっかりと固定した。
設営後は冷えたコーラを飲みながら一旦休憩
雲の合間からたまに出てくる日差しが気持ちいい
飯の準備をしてたら晴れ間からちょこっと富士山が現れる
設営が終わった後は楽しく飲んで、食べるだけ。いつもながら外で食べるご飯は何故か普段より何倍も美味しく感じるもの。
正直、キャンプ場では寝ること以外、食べることしかやることがない。(だがこれがいい)なのでお家で事前に仕込みをしたりして気合を入れる。ここから既にキャンプは始まっていると言っても過言ではない。今回はご飯ものはジャンバラヤ、メインは各種肉にコーヒーや酒などの飲み物を少々用意した。
もう一つ、キャンプでのご飯が普段のと違う一番のところは、炭火でじっくりと時間をかけて食べることが出来るということだ。普段の生活では、朝ごはんも昼も晩ご飯も決められた時間に追われながら摂ることが多く、キャンプではその“時間的縛り”がないというもの大きな魅力の一つと言えるでしょう。(おかげで長い時間ついつい沢山食べてしまうが、これはよしとしよう)
早速焚き火を焚いて、時間がかかるご飯からダッヂオーブンで炊き始める
では早速、焚き火を焚いて時間のかかるご飯を炊き始める。ダッヂオーブンは火加減や手入れなどが結構難しいが、キャンプ場でしか使えない上、強い火力と温度にも耐えるため、その出来上がり想像以上。個人的には釜飯にも劣らぬ味だと思う。具材はウィンナー、玉ねぎ、ホールトマトの缶詰とお米で、味付けはブイヨンとケチャップ、パプリカパウダー、少しの塩コショウで。手間がかかる具材は予め家で切って用意した。
話してるうちにジャンバラヤも完成。最後にパクチーとライムを添えた
ここからは本格お肉タイム
メインが出来上がる間、何かつまめるようお家の低温調理機で予め作ったローストビーフもお酒と一緒に
ここからは本格的に肉も焼き始める。まずは家で予め低温調理したラムチョップを炭火で焼き、隣では今回新調したコンパクトグリルでは、道中スーパーで買った豚バラ肉を焼き始める。この時がまさに至福の時間。肉が焼ける音と煙から出る肉の匂いがたまらない。特にラム肉は、事前にスパイスを効かせ低温調理をしただけに芯まで香ばしく、柔らかい上、炭火でじっくりと焼くことで表面はカリッと、中はジューシーに仕上がる。
肉は人を笑顔にするのである
キャンプでの食事は、ただ美味しい物を食べるだけでなく、コミュニケーションの時間でもある。普段は仕事関連の話をすることが多いが、そういう日常とは離れ、気兼ねなくプライベートの話をするのもまた楽しみの一つ。今回は特に、職場の方々とは初めてのキャンプでもあったし、初めてキャンプを経験する方もいてキャンプへの感想や、家族キャンプとはまた違う楽しさを知ることになったという話を聞いた時には嬉しい気持ちにもなった。
そして色々と食べたり飲んだりしながら、ゆっくりと日が沈むまで話は続く…
野外だし暗くなったから終わり、ではない。キャンプは夜が深まれば深まる程、より周りが広がると言えるでしょう。天気がいい日には星空が頭の上に広がったり、明るい時には感じられなかった焚き火の視覚的な温もり。また、周りが静まりかえったことによる虫の音などや焚き火からのパチっとする音などなど…。少しながら焚き火で童心に戻れるのもまた、夜ならではのキャンプの魅力の一つでしょう。
非常に不思議な雲と富士山が神秘的な雰囲気を演出する
虫の音と焚き火の音のハーモニーもまた、夏キャンプの醍醐味
時間がたっぷりとあるキャンプで、ゆっくりとコーヒーを淹れる
キャンプ場には大浴場も付いていたのでみんなでお風呂の後、焚き火を眺めながらのコーヒータイム。普段はコーヒーに結構なこだわりを持っており、豆の種類やお湯の温度、ローストの時間なども気にして淹れたりするが、キャンプ場でのコーヒーには敵わないのは何故だろう。新鮮な空気や景色はもちろん、人や雰囲気と言った“エッセンス”のおかげなのかもしれない。心なしか、ドリップする時広がるコーヒーの香りも一層豊かに感じる。
キャンプ場での朝はいつもより早い。特に早く起きる必要もないのに明るくなると目が覚める。普段はキャンプ場を散歩したりすることもあるが、今回は目の前に広がる絶景に心を奪われ、朝の新鮮な空気を吸いながらぼっとすることにした。
目覚めたら帽子をかぶった富士山が広がっていた。笠雲と言うらしい
朝のフレッシュな空気を吸いながら火を起こす
夜中雨が降ったのか、テントにも雨が残っていた
草や木にもお水たっぷりでとても新鮮な空気を感じる朝
みんなが起きてからも、時間に追われることなくゆっくりと朝ごはん作り。個人的にはこのゆったりとした時間の中で、コーヒーを淹れたりご飯を用意したりするのが一番好きだ。とりあえず、今回はコーヒーと一緒にホットサンドメーカーで卵を挟んだサンドイッチを焼くことにした。
まずはコーヒー豆から
焼き加減もバッチリ!
今回のコーヒーは爽やかで夏にぴったりなオレンジとミントのフルーツコーヒー
朝のコーヒーは普段とはちょっぴり違う、フルーツコーヒーを用意した。フルーツと言ってもいろんな種類があるが、個人的にドリップコーヒーに一番合うと思うオレンジを選択。少しすっきりとした豆で淹れたコーヒーと、それに爽やかさを足してくれるオレンジはとても爽やかで、この季節にぴったりだった。少し贅沢だが、あえてオレンジは絞らず、スライスした物をそのまま入れ、コーヒーとのバランスを調整し、ほのかに香るぐらいに。キャンプ場でのフルーツコーヒーは初めてだったけど、失敗することなく、好評だったので少しほっとする(笑)
正直ちょっと物足りなかったのでカップ麺の後で食べることに(笑)
最後はみんなで一枚
おわり